年金は運用している⁉GPIFは市場のクジラ!役割やポートフォリオ・運用実績をご紹介!

こんにちは、こつこつbです。

あなたは、年金(年金積立金)がお金を増やすために投資・運用されていることをご存じでしょうか。

年金(年金積立金)はGPIFという機関が運用しています。

「年金(年金積立金)が運用されているなんてそんなばかな!」

という方は是非この記事を読んでみてください。

2001年度以降の累積収益のグラフ

HP:GPIF

長期的にみると運用成績もなかなかのものですよ。

 

どこが運用しているのか、どのように運用しているのかなどをまとめているので是非参考にしてください。

それではどうぞ!

世界最大級の運用機関GPIFとは?

GPIFとは、年金積立金管理運用独立行政法人です。

・Government(政府)

・Pension(年金)

・Investment(投資)

・Fund(基金)

の頭文字をとってGPIFと呼ばれています。

 

簡単にいうと、厚生労働省から委託され、公的年金の一部(年金積立金)を管理、運用している機関です。

 

さらに簡単にいうと、みんなの年金を上手に運用して増やそうとしている組織です!

 

 

GPIFは公的年金の年金積立金を運用するため、国内外の株式や債券などに投資しています。

その投資金額は大きく、世界最大級の機関投資家の1つです。

金融市場での存在感が大きく、市場に大きな影響力があることから「市場のクジラ」とも呼ばれています。

 

金融市場に大きな影響力を持つGPIFですから、当然、個人投資家にも影響を与えます。

 

 GPIFの動きを注視する必要があるのです。

 

 

 

ちなみに…

日本年金機構とはどう違う?

日本年金機構は、年金の納付や給付に関する業務を行っています。

公的年金の管理、運用はしていません。

管理、運用しているのはGPIFなのです。

 

GPIFの役割

GPIFは、公的年金の年金積立金を運用しています。

では、なぜ年金積立金を運用しなければならないのでしょうか

GPIFの役割は、日本の年金制度の仕組みに大きく関わっています。

 

日本の年金制度の仕組み

日本の年金制度は、自分が納めた年金の保険料を自分が受け取る積立方式ではありません

現役世代が納める保険料をその時々の高齢者世帯に給付する仕組み(賦課方式)なのです。

 

 

少子高齢化が進むと…

現役世代が高齢者の年金を支える現在の仕組みでは、少子高齢化が進むと将来的に保険料を納める現役世代が減り、給付を受ける高齢者が増えてしまいます。

現役世代の負担が大きくなってしまうのです。

 

GPIFの役割

将来の日本において、多くの高齢者の給付を少ない現役世代の保険料でまかなうのは難しいです。

少子化により将来の現役世代に大きな負担をかけてしまいます。

 

そこで、将来の現役世代の負担を少しでも和らげるため、将来の年金制度を守るために、積立金を積み立て、運用して少しでも増やさなければなりません

これこそがGPIFの役割です。

 

現在、現役世代が納めた保険料の中から、年金給付に充てられなかった分を積み立てています

この年金積立金を管理、運用しているのがGPIFです。

GPIFは、将来の年金制度を守る役割を担っています。

 

長期運用と分散投資

GPIFが管理、運用しているのは、将来における年金給付のためのお金です。

そのため、安定して増えることが求められています

 

短期的にはプラスになることもあれば、マイナスになることもあるのが投資です。

しかし、長期間で投資すれば、平均的に収益を上げることが期待できます。

 

長期運用により、安定して収益を上げようとしているのがGPIFの投資手法です。

また、国内外の様々な資産に分散して投資することで、大きな損失が出るリスクを抑え、世界中の資産から収益を上げることを目指しています。

 

GPIFは、長期運用と分散投資により、安定して運用成果を上げ、GPIFの役割を果たしているのです。

 

GPIFのポートフォリオ

では、GPIFはどんな資産にどれくらいの投資をしているのでしょうか。

それを示しているのがポートフォリオです。

長期運用する場合、短期的な市場の動向につられて資産の構成割合を変更するよりも、基本の構成割合を決め、長期間維持した方がいい結果につながることはよく知られています。

 

このため、GPIFは基本のポートフォリオを定めています。

 

第4期(2020年度~)中期目標

株式 債券
基本の構成割合 50% 50%
    許容される乖離幅 ±11% ±11%
 株式・債券の内訳 国内株式 外国株式 国内債券 外国債券
   基本の構成割合 25% 25% 25% 25%
    許容される乖離幅 ±8% ±7% ±7% ±6%

 

上記の表の通り、GPIFの基本ポートフォリオは、株式と債券半分ずつです。

それぞれ±11%の許容乖離幅があります。

 

株式と債券の内訳ですが、株式は国内株式と外国株式25%ずつ、債券は国内債券と外国債券25%ずつです。

それぞれ±6%~±8%の許容乖離幅があります。

 

 

ただ、GPIFは基本ポートフォリオを、1度決めたら変更しないわけではありません。

国内や世界の経済情勢や市場の動向を注意深く観察し、必要があれば見直しをしてきました。

 

 

参考までに、過去の基本ポートフォリオの変更は次の通りです。

 

第1期(2006~2009年度)中期目標

国内株式 外国株式 国内債券 外国債券 短期資産
基本の構成割合 11% 9% 67% 8% 5%
許容される乖離幅 ±6% ±5% ±8% ±5%

 

 

 

第2期(2010~2014年度)中期目標

2010年4月には、第1期中期目標をそのまま第2期中期目標としましたが、検証の結果、第2期の途中2013年6月に基本ポートフォリオを変更しました。

国内株式 外国株式 国内債券 外国債券 短期資産
基本の構成割合 12% 12% 60% 11% 5%
許容される乖離幅 ±6% ±5% ±8% ±5%

 

 

長期的な経済情勢や市場の動向を注意深く観察した結果、2014年10月に第2期中2度目の基本ポートフォリオの変更を行いました。

国内株式 外国株式 国内債券 外国債券
基本の構成割合 25% 25% 35% 15%
許容される乖離幅 ±9% ±8% ±10% ±4%

 

 

第3期(2015~2019年度)中期目標

2014年10月に変更した基本ポートフォリオを検証した結果、2014年10月に変更した基本ポートフォリオをそのまま第3期の基本ポートフォリオとしました。

 

GPIFは国内や世界の経済情勢や市場の動向を注意深く観察しています。

その結果、必要があれば、基本ポートフォリオを見直してきているのです。

 

参考 基本ポートフォリオの考え方 – 年金積立金管理運用独立行政法人

 

GPIFの運用実績

GPIFは、国民の大事な年金積立金を運用しています。

このため、国民から信頼される組織でなければなりません。

GPIFは、透明性を確保するために運用状況を公開しています。

 

 

過去5年間の運用実績は次の通りです。

収益率 運用開始以降の累計収益率 収益額 運用開始以降の収益累計額
2021年度 +5.42% +3.69% +10兆925億円 +105兆4,288億円
2020年度 +25.15% +3.61% +37兆7,986億円 +95兆3,363億円
2019年度 -5.20% +2.58% -8兆2,831億円 +57兆5,377億円
2018年度 +1.52% +3.03% +2兆3,795億円 +65兆8,208億円
2017年度 +6.90% +3.12% +10兆810億円 +63兆4,4,13億円

世界規模での新型コロナウイルス感染拡大に揺れた2019年度の第4四半期(2020年1月~3月)。

国内外の株価は大幅下落し、各国が政策金利の引き下げや、大規模な量的緩和を決定したことから、米国・欧州市場における金利は大幅に低下し、収益を押し下げました。

 

しかし、それでも運用開始から2021年度までの累計収益率を見れば+3.69%、収益累計額は+105兆4,288億円と、健全に運用されていることがわかります。

 

参考 管理・運用状況 年金積立金管理運用独立行政法人

 

2001年度以降の累積収益のグラフ

HP:GPIF

 

まとめ

なぜ年金(年金積立金)が運用されているのかご理解いただけましたでしょうか。

GPIFが年金積立金を運用していることに対しては、賛否両論あります。

しかし、現状は「運用をして実績を残している」というのが事実です。

 

投資は「絶対に利益が出ます!」というものではありません。

ただ実は私たちの生活にも身近なものなのだと感じていただけると嬉しいです。

 

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興味があれば以下の記事を参考にしてください。

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今回は以上です。

ありがとうございました。

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