株式の自社株買いとは?企業と株主にどんなメリットがあるの?日米の違いは?

株式の自社株買いとは?企業と株主のメリットは何?日米の違いも!

こんにちは、こつこつbです。

今回は、自社株買いについてお伝えします。

猫男爵

「自社株買いってたまに聞くけど何のことかな?」

「自社株買いにはどんな効果があるのだろう?」

こんな疑問を持っている人に読んでほしいにゃ!

リッキー
聞いたことがあるようなないような・・・
猫男爵

自社株買いは、企業が「うちの株は今安いですよ!買い時です!」と投資家にアピールしているようなものにゃ!

いろんな効果があるから知っておいて損はないにゃ!

企業が自社の株式を買い戻す「自社株買い」にはさまざまな目的がありますが、その中のひとつに株主への利益の還元があります。

つまり、自社株買いは株主にとって利益をもたらしてくれるものなのです。

そこで今回は、自社株買いが行われる目的や、株主にとってのメリット、また日米の違いなどについて解説していきます。

それではどうぞ!

自社株買いとは

自社株買いとは、

上場企業が発行している株式を自社の資金で市場から買い戻すことをいいます。

 

通常は、

企業が事業資金を集めるために株式を発行すると、投資家が市場で株式を購入します

 

自社株買いは、企業が自社の資金で自社の株を買うのです

 

企業が市場から自社株を購入すると、市場に流通している株式総数が減少し1株当たりの希少価値が高まります

そのため、株価が上がりやすくなるので株主へ利益を還元することができます。

 

 

また、「1株当たりの利益」も増加することになり、利益の一部を株主に支払うのと同じ効果をもたらすので、株主還元策のひとつとして活用されています。

 

なお、買い戻した株式を消却するかどうかは企業側が決めることができ、企業が金庫株(※注)として保有することもあります。

※注:金庫株=市場に出回らない自社で保有する自己株式のこと。

この場合、後に売却し企業の運転資金に充当することなどにも活用されます。

 

企業が自社株買いをするメリットは?

企業が事業資金を集めるために発行した株式を自社で買い戻すことには、どのような目的があるのでしょうか

 

企業側のメリットとして主に次のようなことがあります。

・敵対的買収への対策

・株主への利益還元

・ストックオプションの活用

・敵対的買収への対策

もしも敵対する企業に株式を大量に購入されてしまうと、経営上大きな影響を受けることになります。

自社株買いをして自社株式の保有割合を増やしておけば、他企業に保有されてしまう株式数を少数に留めることができます。

 

・株主への利益還元

自社株買いを行うと株価は上がりやすくなります。

既に株を保有している株主に株価を上昇させることで利益を還元することが出来ます。

 

・ストックオプションの活用

金庫株をストックオプションとして活用できるメリットもあります。
ストックオプションとは、発行時に定めた価格で自社の株を購入できる権利のことをいい、将来的に従業員や役員への報酬として利用されるケースが多いです。

株主側のメリット:自社株買いで株価が上がる

株主にとって、企業の自社株買いは「企業が自社株買いをすることで株価が上昇する」というメリットがあります。

企業が自社株を買い戻すと株式総数が減少し、その結果、1株あたりの利益が増え株価が上がることが期待できるのです。

 

では、株価が上がる仕組みについて、もう少し詳しく確認していきましょう。

・自己資本利益率(ROE)が上昇

・株価収益率(PER)が低下

・株価純資産倍率 (PBR)が低下

 

自己資本利益率(ROE)が上昇する

企業が自社株買いをすると、市場にある株式数が減少するため自己資本利益率(ROE)が上昇し株価が上がりやすくなります。

 

自己資本利益率(ROE)は、

その株に投資するとどれだけの利益を効率よく得られるか

を表しており、株主が企業の収益性をチェックするうえでの指標になります。

自己資本利益率(ROE)は数値が高いほど良いとされ、一般的に10%以上になると優良企業と認められています。

 

つまり、

自己資本利益率(ROE)が高いほど、少ない資本でたくさんの利益を出していることになるため、投資家からの人気も高くなるのです。

 

株価収益率(PER)が低下する

株価収益率(PER)とは、株価が市場において割安かどうかを測るための指標で、数値が小さいほど割安とされます。

株価収益率(PER)
=株価÷1株あたりの当期純利益(EPS)

で計算され、株式数が減るとEPSが高くなりPERが小さくなるのです。

PERが小さくなるとその株式が割安と判断され、購入する株主が増えることで株価が上がると考えられます。

 

株価純資産倍率 (PBR)が低下する

株価純資産倍率 (PBR)とは、

株価収益率(PER)と同様に株価が市場において割安か割高かを測るための指標で、数値が低いほど割安とされます。

株価純資産倍率 (PBR)
=株価÷1株あたりの純資産(BPS)

で計算されるので、株式数が減るとBPSが高くなりPBRが小さくなります。

 

 

自社株買いは、このように株価に影響を与え、結果として株主に利益が還元されるしくみとなっています。

※自社株買いで割安になっている銘柄の株価が必ず上昇するというわけではありません。

日本と米国の自社株買いの特徴

日本と米国では、米国の方が自社株買いに対して積極的です。

日本企業は、自社株買いよりも配当金や株主優待に力をいれる傾向にあります。

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配当利回りとは、

株価に対して年間配当金がどのくらいの割合を占めるのかを示したものです。

配当利回り
=1株あたりの年間配当金÷株価
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米国株は日本株よりも自社株買いが積極的に行われており、高配当狙いの投資家から注目されています。

高配当銘柄で自社株買いも積極的な場合、「配当金+株価の値上がり益」の両方を狙えるため大変人気があります。

これらのことから、日本企業と米国企業では株主への利益還元の方法が異なっていることがわかります。

日本株:配当金+株主優待

米国株:配当金+自社株買い

しかし、

米国株の中には高配当のものばかりでなく無配当のものも多数あり、企業の利益が出ても配当に回さず事業資金に再投資する企業も多くみられます。

 

つまり、

全体を見ると高配当を行う企業も多数ある一方、配当ではなく事業拡大に重きを置く企業もあり、企業によって方針が異なるということです。

 

事業の拡大が上手くいけば株価の大幅な伸びが見込めるため、株主にとってもメリットが大きいです。

各企業の方針を確認するようにしてください。

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まとめ

日本と米国の自社株買いの特徴

いかがでしたでしょうか。

企業が自社株買いをする目的として、

・株主への利益還元

・敵対的買収への対策

・ストックオプションの活用

といったことが挙げられます。

一方で、

株主にとっては企業利益を還元してもらうことができ、高配当株を保有していればそれだけ多くの配当を得ることができます。

 

ただし、

米国企業のように利益を出していても、配当ではなく事業投資に回す企業もあることから、高配当というだけで銘柄を選ぶのではなく、企業の将来も予測することが大切です。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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